【専門留学/体験談レポート1】NZ教育研修とインターンシップ|YOHAKU

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【教育専門留学/体験談レポート】NZ教育研修と小学校インターンシップ(パート1)

【教育専門留学/体験談レポート】NZ教育研修と小学校インターンシップ(パート1) | 海外留学

昨年夏からニュージーランド留学へ飛び立ったAsoさんの
「ニュージーランド留学現地レポート 第3弾」をご紹介します。

〜大学を休学し、約7ヶ月間程のプランで留学中のAsoさんは、
ニュージーランド(オークランド)での英語学習からはじまり、
ニュージーランド独自の教育理念である「テファリキ」を学び、
その後には、現地の小学校で教育実習をするという盛りだくさんの内容で留学をしました

「ニュージーランド留学現地レポート 第1弾」では、
大学3年の時に留学を決意した経緯と
語学学校での様子をレポートして頂きました。

「ニュージーランド留学現地レポート 第2弾」では、
ホームステイ先やご自身で探したシェアハウス(*ニュージーランドではフラットと言う)での様子、
また、ここまでの4ヶ月を振り返って思うことや気づきを綴って頂きました。

今回の「ニュージーランド留学現地レポート 第3弾」では、
いよいよAsoさんのニュージーランド留学最終目的である現地の小学校でのインターンシップの様子と
これから同じように留学を考えている皆様へのメッセージを2つのパートに分けて綴って頂きました。

Asoさんの行動力と柔軟な姿に、これから留学を考えている皆さんも
きっと勇気づけられるのではないかと思います!

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🎤 レポーター:麻生 佳雅さん

■大学4年生を休学

■留学国: ニュージーランド/オークランド

■留学先学校名: 語学研修→テファリキ教育研修→小学校でのインターンシップ

■留学期間: 2022年7月〜(約7ヶ月間)

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〜ニュージーランドの”子ども主体教育”を肌で感じた1ヶ月〜


私が留学先としてニュージーランドを選んだ一番の理由は、ニュージーランドの幼児教育理念である「テファリキ」に非常に共感し「現地の教育現場が実際どうなっているのかをこの目で見たい」という想いが湧いたことでした。
そして遂に2022年10月、その時を迎えることができました。
幼稚園や小学校への訪問、そして小学校での教育実習です。

〜研修と教育施設への訪問ではどのようなことを行いましたか?〜

今回私は、2部構成で研修を行いました。
まずはじめの1週間は幼児教育施設やいくつか小学校を訪れ、実際にどのような環境で子どもたちが遊び、
学んでいるのかを見学しました。訪れたすべての幼稚園と小学校にて、子どもたちが生き生きと自らの興味関心のある活動に没頭している様子がとても印象に残っています。
中には何もせず、ただぼーっとしている子どももいたりしましたが、そういった時も先生たちは無理に子どもに何かを強要することはなく、その子たちが今何を考えているのかをそっと見守っていました。
とても包容力があって寛容な教育環境だなと感じます。
また訪問している中で生まれた疑問は現場の先生方にその都度質問させていただき、
どの先生も非常に丁寧に質問に答えて下さいました。

 

この一週間は毎日がとてつもなく刺激的で情報量が多く、「百聞は一見に如かず」とはまさにこのことだと改めて実感したのを覚えています。

 

〜ニュージーランドの教育理念(テファリキ)とはどのようなものですか?〜

「テファリキ」は、1996年にニュージーランド政府が独自に導入した幼保統一型の教育方針のことで、ニュージーランド先住民である「マオリ」の言葉で「編みこまれた敷物」という意味を持つ言葉です。
その言葉通り、「テファリキ」は4つの原則と5つの要素から成り立っており、それらが互いに編み込まれるようにして幼児教育の基本指針を作り上げています。
日本でもテファリキの要素を取り入れた保育や教育を実践している施設がいくつかありますが、まだそれほど知名度は高くないように感じます。
そんな「テファリキ」で最も大切にされているのが「子どもの主体性を伸ばす」という点です。
そのために前述の4つの原則と5つの要素が互いに作用しながら子ども主役の幼児教育環境が作られています。

 

~4つの原則(Principals)~

  • エンパワーメント(Empowerment)
    • 子どもが本来の能力を発揮できるような経験を持つ

  • 全体的発達(Holistic Development)
    • 子どもの包括的な成長を支える

  • 家族と地域(Family and Community)
    • 家族や地域のコミュニティといった広い世界の中でつながりを学ぶ

  • 関係性(Relationships)
    • さまざまな人や場所、モノとの関わりから学んでいく

 

~5つの要素(Strands)~

  • ウェルビーイング(Wellbeing)
    • 心身ともに健康で幸福

  • 所属感(Belonging)
    • 所属感を感じられる

  • 貢献(Contribution)
    • 一人一人の貢献が価値あるものとされる

  • コミュニケーション(Communication)
    • さまざまな文化や言語、シンボルが守られる

  • 探究(Exploration)
    • 積極的な探究心を通じて学ぶ

 

これら4つの原則と5つの要素のそれぞれの項目は、保育者さんが子どもたちのラーニングストーリー(※1)を書く際に、いつも意識しているそうです。たとえば、「今日○○君はお友達と砂遊びをしていたけど、あの遊びを通じて彼はテファリキの項目の中の【関係性】と【探究】の観点で○○のように成長しました」といったように、ニュージーランドの保育者さんは常にこのテファリキという基本理念に沿って子どもたちと向き合っていました。

※1 ラーニングストーリー:子どもの活動の様子や、興味・成長の過程などを写真を交えて記録したもの

〜小学校での教育実習ではどのようなことを行いましたか?〜

その後一カ月ほどは、とある小学校にてアシスタント職員のような形でボランティアをさせていただきました。
Year5.6
(日本では小学校4.5年生)のクラスを中心に担任の先生の補助役として子どもたちと日々向き合いながら、教育現場にいわば “潜入” する形でニュージーランドの教育実態を学ぶことができました。

また、計2か所の小学校にて日本文化を伝える実習を行い、竹製のうちわと和紙を用いたオリジナルのアクティビティや、折り紙で鶴や紙飛行機を一緒に折るクラスを定期開催したりしました。
小学校での日本文化を伝えるクラスの様子は後半部分で詳しく紹介しています!

   

~小学校の様子~

ニュージーランドの小学校では、子どもたちは非常にのびのびとした環境の中で日々学んでいます。
私が研修をさせていただいた小学校では、文化の違いから例えば子どもたちには「上履きを履く」という概念がなく、
教室内であっても先生含めみんなが靴で歩き回ったりそこに腰を下ろしたりしていました。
また、窓にはカーテンもなく外から中の様子が見え放題、そのうえ教室のドアは常に開けっ放しで急に中庭に飛び出して個人ワークをし始める子がいたり。。

ある時、一人の先生が突然教室の前にやってきて、「ちょっと荷物を運ぶために手を借りたいんだけど、男子5人くらい借りてもいい?」と唐突に聞いてきたことがあります。
それを聞いたクラスの男の子たちは、途端に「はい!はい!」と立ち上がって担任の先生の指名を仰ぐために猛アピールを始めました。
結果、”精鋭5人”が選ばれ、彼らは飛び跳ねるように教室を出ていき荷物を運ぶ手伝いをしていました。
その後は彼らが抜けたまま授業が何事もなかったかのように続きましたが、このような光景はそこまで珍しいものでもなく、人のために何かを手伝うということも含めて、学校内で起こるすべてのことが子どもたちの成長に繋がっているという感覚を覚えました。

さらに、教室の中に一か所だけ“マット”と呼ばれる絨毯の敷かれたエリアがあり、子どもたちが一斉に集まって先生の話を聞くときなどは、そのマットに腰を下ろして話を聞いていたのが印象的でした。

 

テーブルは島型になっていることが多い(写真は6年生のクラス)

テーブルは島型になっていることが多い(写真は6年生のクラス)

 

〜学校で働く先生や職員室の様子〜

一時間目と二時間目の間に”morning tea time”、いわゆる中休みの時間があります。この時間になると、子どもたちは一斉に廊下に出て、ランチとは別に持参してきたフルーツやスナックなどの軽食を食べます。

先生たちもぞろぞろとスタッフルーム(職員室)に集まってきて、コーヒーやお菓子を食べながら談笑しています。

 

日本の先生のように、休み時間であっても仕事に追われているような職場環境とは完全に異なり、ここでは休み時間は休み!としっかりと線引きがなされています(それだけ業務量が少ない、あるいは少なくしているというところでしょうか)。
この時間は、例えば職員同士で「明日の○○時に避難訓練をします」といった業務伝達を行う場としても使われていますが、誰一人として個人的な仕事をする人はいませんでした(そもそもニュージーランドの学校では、スタッフルームは仕事場ではなく職員同士がコミュニケーションをとり寛げる空間のようです)。

ですから、冷蔵庫や食洗器などが備わったキッチンがスタッフルームの半分を占めていて、ここは家か?と錯覚するほどリラックスした環境でした。(後に訪れた別の高校でも、スタッフルームにはパソコンの一台もありませんでした)。
ただその代わりに、先生たちはそれぞれの教室に仕事用のデスクがあり、生徒が帰った後に教室で“少し”仕事をしているようです(沢山はしません笑)。

 

子どもたちの一日の様子と言えば、、、

一言で表すならば本当に“自由”です。その日の時間割も当日の朝、先生がみんなをマットに集めて伝えます。全国統一の教科書がないので先生たちがオリジナルのプリントや教材で授業を進めます。
知識を詰め込むような教育ではなく日々何を感じて、どう考えるかの感覚を鍛える方に重点の置かれた環境でした。

 

私が参加したある日のYear6(日本の小学校の5年生)のクラスでの一日はこんな感じです!

 

  1. 算数〔40分〕・・・学力に応じて2つにレベル分けがされて、上位レベルの子どもたちはマットに集まって先生が出す少し難易度の高い文章題などに答えていく。あまり勉強が得意でない子どもたちは、colour by multiplicationという掛け算の問題に取り組む。計算と色塗りを同時に行う作業で、全ての問題を解ききるとひとつの絵が完成するような仕掛けになっており、算数を視覚的に楽しめるように工夫されていた!

  • 気分転換の運動〔20分〕・・・縄跳び→縄跳びしながらジョギングでグラウンドを一周。

(軽くフルーツなどを食べながらマットに集まて先生から次の指示を聞く)

  • ポスター作り〔40分〕・・・各自のパソコンでニュージーランドの絶滅危惧種の動物を調べ、その中から各自一種類の動物を選び、①何が問題?②どうやって助けられる?を各自ポスターにまとめていくという制作課題。途中まで進めて、終わらなかった分は次回続きから行う。
  • モーニングティータイム〔20分〕


  • 読み聞かせ〔15分〕・・・先生が本の読み聞かせをする。子どもたちはあまり落ち着きがない、、、


  • 英語〔40分〕・・・テキストを使っての英語学習。リスニングもある。5年生になっても単語のスペルミスが多い。日本人と同じで、母国語で普段話していても文字としてきちんと書けていないことがある為、母国語学習として英語の時間はかなり頻繁に授業が組まれているようだった。


  • ランチタイム〔45分〕・・・ランチは必ず教室から出て廊下で食べることになっている。これは教室内での盗難防止を目的としているらしい。ランチタイムの最初の10分間は、必ず担任の先生が廊下で子どもたちを見守り、10分経ったところで子どもたちは食べ終わったランチボックスをしまい、各々外遊びをする。なるべく教室に入ってはいけないルールだ。先生がスタッフルームでランチをしている間に、教室内で何かトラブルが起きたら困るからと、ある先生は仰っていた。


  • 個人作業〔30分〕・・・各自が進めたい作業を行う個人ワークの時間。読書やお絵描きといった、勉強以外のことに勤しんでも問題ない。あくまでも“何かに没頭する”時間として設けられているようだ。


  • 再び運動〔15分〕・・・ハンマー投げの要領でボール投げ。先生は「ただボールを投げるわけではない」と、フォームを意識するよう何度も実演して伝えていた。最後に80メートル徒競走。今日一番の盛り上がりだ!


  • 帰宅・・・流れ解散のような感じで帰りのホームルームが無い日もあれば、簡単に最後みんなで集まる時間を設ける日もある。別に決まりはないようで、その日の状況次第なところ。とにかくみんな帰るのが早く、下校時間から5分も経てば学校の敷地内にはほぼ誰もいなくなる!親に迎えられて各自下校する。



私の一週間の時間割。基本的にこの時間割に沿ってそれぞれのクラスに参加し授業やアクティビティのサポートをしていた。毎週金曜日の第二ブロックの授業では、いろいろな学年のクラスにお邪魔して折り紙を使った創作授業を担当させていただいた。

学校のすぐそばには大自然が広がっており、よくトレッキングに出かけたりする。写真は、バスで30分ほどの場所にある国立公園に5年生全クラスで出かけた時の様子


Asoさんの留学レポート「ニュージーランド教育研修と小学校インターンシップにて(パート2)」はこちらから
【教育系専門留学】ニュージーランド教育研修と小学校インターンシップにて(パート2)


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コンサルタント:亀井

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